オリジナルの所在
パリ、ルーヴル美術館の2階、シュリーウイング(部屋番号40)に展示されている。(2005年5月現在)ルーブルが所蔵する古代ギリシアのセラミック作品の傑作のひとつ。紀元前7世紀の中頃にコリントで作られたテラコッタ製の小さな容器で、羽根の下に香水を詰める穴がある。足元には横に紐を通す穴があってその紐を手首にかけて持ち歩くように出来ている。首をかしげながら大きく目を見開いて何かを見詰める愛らしいポーズが有名。絵付けにはオリエントの動物紋様の影響が色濃く見られます。
神の使いふくろう
ギリシアのふくろうといえば、アテネの守護神で知恵の女神アテナのふくろうが有名ですが、古代の地中海世界では広い地域でふくろうがいろんな女神と結びつき、“神の使い”として神話的な役割を担っていたようです。それが時代の流れの中でアテネに集約されていったと言われています。 多くの美術様式はコリント期に完成されましたが、ふくろうの造形にも同様のことが言えるようです。そこで私たちもコリント期に遡ることにしました。
コリント期はギリシア美術の源
今回ご紹介する「コリントのふくろう」は紀元前7世紀の前コリント期からとりました。コリント式神殿で有名なコリントは今も多くの人が訪れる古代ギリシア有数の遺跡ですが、それに先立つ前コリント期は装飾が幾何学模様から動植物の形象に広がった美術史上重要な時代でした。このふくろうもそのひとつで、素朴でほほえましい姿は2600年の時を越え私たちを魅了する力を秘めています。この作品はそれをヘレンド伝統のうろこ模様で仕上げたものです。
ふくろうを象った香水瓶
オリジナルはふくろうの形をした香水瓶で、身分の高い婦人が香水を入れて持ち歩いたもののようです。興味深いのは、“神の使い”であるふくろうが香水瓶の造形に使われていることです。それは性質上お守りでもあり、同時に装身具でもあったのです。こんなに古い時代からの、今も変わらない"幸運"と"知恵"のふくろうです。
こうして見ると、古代ギリシアへのタイムスリップも意外と身近に感じられるのではないでしょうか。おおらかな古代世界への旅、ヘレンドの"世界のふくろう"のライトモチーフです。 |
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